東京の弁護士中里が以前解決した交通事故の被害者の損害賠償請求訴訟の解決実績をご報告いたします。
今回は、30代後半の男性会社員が、夜間に同僚らと酒を飲んだあとに、道路を横断していたところ、自動車にひかれて、脳挫傷を伴う大けがを負ったという案件です。
この案件は、等級が高かったため、訴訟を選択しました。
事故直後より、当法人が介入して、後遺障害のサポートをし、後遺障害申請も被害者請求により、無事に併合5級(①高次脳機能障害7級、②胸椎圧迫骨折による脊柱の変形8級、③外貌醜状12級)が認定されました。
訴訟にした結果、賠償金は、約3200万円で和解することができました。
5級の自賠責保険金1574万円をも含めると、被害者が受け取ることができた金額は約4774万円となります。
被害者側の過失30%がなかったとすると、約6820万円の賠償金となります。
今回の最大の争点は、主に①過失割合、②後遺障害逸失利益でした。
1 過失割合
事故態様としては、被害者が酔っ払っていて、同僚らと一緒に夜間の道路を横断して車にはねられた事故でした。
しかも、みずから車の前に突っ込むような形で引かれました。
この場合の基本過失割合は、歩行者20%スタートですが、
夜間であることで+5%、直前横断+10%は避けられないかと思いましたが、
何とか、歩行者の過失割合を30%にとどめてもらうことに成功しました。
2 後遺障害逸失利益について
加害者側の保険会社から、高次脳機能障害については、7級ではなく9級程度にすぎないこと、
圧迫骨折についても運動障害ではなく、変形にすぎないため労働能力にそこまで支障はないという医師の意見書が提出されました。
こちらも何とか反論をくりひろげ、労働能力喪失率については、相手方の主張を斥けることに成功し、最終的には、70%と認定してもらうことができました。
逸失利益については、約4600万円(過失30%控除前の金額)と認定してもらうことができました。
3 雑感
保険会社側の医師の意見書は、不思議なことに被害者不利の意見書がなぜか出てくる。
医学的な説得的な内容とは思えず、所詮評価による結論が多いので、反論は可能。
高額案件では、過失が5%違うだけでも賠償金額が数百万円違ってくるので、決して最後まであきらめてはいけない。
また、新たな経験を積めた訴訟となりました。