裁判が終わるまでの期間

今年ももう終わりです。

2024年は、能登半島地震に始まり、オリンピック、大谷選手の大活躍といったところでしょうか。

さて、今回は、裁判(訴訟)を起こすと、どのくらいの期間がかかるのかという質問に答えていきます。
※ここでは、私のメインの取り扱い案件である交通事故被害者の民事訴訟に限ってお話していきます。

結論からいいますと、事案によってケースバイケースとしか言えません。

が、だいたい約半年~1年程度かかる事案が多い気がします。

なぜ、そんな長い期間かかるのかと疑問に思われる方もいるかもしれません。

その原因としては、いくつかあるのですが、

まず、

①次の裁判までに1~2か月かかること

裁判の基本の流れとしては、

原告の主張→被告の反論→原告の再反論→被告の再々反論

と、主張反論が繰り返され、主張反論が出尽くしたところで、裁判所の判断(和解や尋問後判決)を仰ぐことになります。

主張を書面にまとめるためには、通常1か月程度時間がかかります。

1ヶ月ずっと書面作成に時間をかけるというわけではありませんが、

代理人弁護士の方で主張書面(準備書面)の案を完成させ、そこから依頼人に確認してもらい、修正等を繰り返すと、1ヶ月程度かかるという考えです。

また、一人の裁判官は、一人で事件を数百件抱えていますので、単純に、他の事件との兼ね合いで、書面作成がすぐできたとしても、物理的に担当裁判官のスケジュールが直近では空いてないというのも理由の一つとなります。

②医学鑑定書の作成に時間がかかることが多い

交通事故の後遺障害等級案件などでは、医師の医学意見書が証拠として用意されることも多いのですが、その作成に、数か月かかってしまうことも多いです。

早く終わる裁判はどのような場合でしょうか?

例えば、被害者がお亡くなりになっている「死亡案件」の場合には、後遺障害等級案件のように、後遺障害の程度等が争われることがなく、基本的には、慰謝料がいくらになるかという裁判所の評価待ちという側面が強いため、早く終わりやすいです。

最近、私が担当していた死亡案件の裁判でも、訴訟提起から和解で終結するまでに、3ヶ月程度でスピード解決したものがありました。

逆に、後遺障害等級案件では、1年6か月近くかかって、最近になってやっと和解で終わった事件もありました。

交通事故の裁判では、尋問まで実施される割合は少ないのでご安心ください。

皆様よいお年を!