約13兆円の賠償額の弁護士費用

先月7月13日、東京地裁で日本の裁判史上最高額の賠償を命じる判決がでました。

金額は、13兆3210億円です。

この判決がでるまでは、賠償を命じる最高額は約829億円であったことから、今回の金額はとても異例であることが分かると思います。

この裁判の事件は、東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣5人が津波対策を怠ったとして賠償を求めた株主代表訴訟の損害賠償請求事件です。

この事件は、第1審である東京地裁の判決がでただけであって、確定はしておりません。

現在、両方の当事者から控訴が提起されたようです。

第2審の控訴審の東京高裁では、今回の判決とは違った判断がされる可能性もあります。

賠償金額が少なくなるかもしれません。

さて、私が気になったのは、この約13兆円という賠償金に対して、弁護士費用が一体いくらになるのだろうかということです。

弁護士の報酬体系としては、着手金成功報酬金方式とタイムチャージ方式(1時間〇万円)というのが一般的です。

今回の事件で代理人がどのような契約で弁護士報酬を定めたのかは不明ですが、

もし、通常の基準の着手金・成功報酬金方式で弁護士報酬が計算されるとすればという前提で、お話していきます。

着手金・成功報酬金方式で計算するとした場合、

①着手金は実際に請求した金額に対して計算されるため、実際の請求額は約13兆円よりももっと高額であったのだと思いますが、今回は、便宜上、13兆円で請求したと仮定します。

そうすると、13兆円×2%+369万円=2600億0369万円(税抜)となります。

②成功報酬金は、着手金の2倍の額ですので、

13兆円×4%+738万円=5200億738万円(税抜)となります。

ものすごい金額ですね。

実際は、賠償金額が獲得できていませんし、このような高額の弁護士費用となる契約にはなっていない可能性が高いと思いますが、私もいつかこのような超高額案件を担当してみたいものです。