賠償額2億円超 解決実績(1級、50代男性会社員)

先日、大丸東京店の地下食品売り場で、「白イチゴ」を購入したのですが、その際、フランスのテレビ局からインタビューをお願いされました
シャイな私は、大変心苦しかったのですが、お断りさせていただきました
日ごろから、もしインタビューを受けたら(恥ずかしいので)断ろうと心に決めていたからです。
皆様はインタビューを受けるのはお好きでしょうか?


さて、今回は、私の弁護士人生のなかで、とても心を悩ませた案件のご紹介です。
※詳細な事情や賠償金額等は、個人情報保護の観点から適宜、捨象、修正してご紹介します。


案件概要

  • 被害者: 50代、男性、会社員
  • 後遺障害等級: 別表第1 1級1号
  • 主な後遺症: 両下肢完全麻痺、直腸障害
  • 当方過失: 10%
  • 総賠償額: 2億2100万円(過失控除前)

既受領金を除いた過失10%控除後の賠償金額:

  • 被害者本人:2億0500万円(内自賠責保険金4000万円含む)
  • 近親者慰謝料合計:580万円

この方の案件は、事故直後より相談を受けておりました。
普段は、プロとして、被害者の方に感情移入することはないのですが、この方のときだけは、涙ぐんでしまいました。

今までバリバリ働いていた人が、事故をきっかけに2度と歩けなくなってしまったのです。
トイレもお風呂も一人ではできず、他人の介助が必要
一生そんな状態が続くのです。

もし自分がこの方と同じ状況になってしまったらと思うと、感情移入せずにはいられませんでした。


事件を受任してから解決まで4年近くかかりました
この間、被害者の方は、

  • 早く終わらせてほしい
  • 生きているのが辛い。この世に未練はない

とたびたびおっしゃっていました。

私は、「同情します」「お気持ちわかります」とは軽々しく言えませんでした。
ですが、プロとして適正な賠償金を勝ち取ることが責務。

気持ちを切り替えて、淡々と訴訟を遂行しました。


医学意見書と裁判の苦悩

保険会社側から提出された医学意見書には、
「自力で日常生活がある程度できる」など、
実情と乖離した内容が書かれていました。

どうしても保険会社に都合の良い意見書が作成されているように感じざるを得ませんでした。

日本社会は、どこの業界にも「忖度」があると思います。
この業界でも、保険会社にとって有利な意見書が出されることがあります。

裁判官は医学の素人であるため、そのような意見書を鵜呑みにするリスクもあります。


良心への訴えと和解成立

訴訟においては、加害者側代理人弁護士や保険会社に対し、
「ご家族が同じ後遺障害を負った場合でも、同じ主張ができますか」と、
人間としての良心に訴えました。

結果的に、保険会社側も被害者に寄り添った内容で和解に応じてくれました
判決ではなく早期の和解を選んだ理由は、被害者の心情に配慮したためです。


和解金の主な内訳(※過失10%控除前)

  1. 将来介護費: 約7700万円
  2. 自宅改造費: 1830万円
  3. 後遺障害慰謝料: 2900万円
  4. 入通院慰謝料: 330万円
  5. 近親者慰謝料: 合計600万円
  6. 後遺障害逸失利益: 7800万円

※①②⑥は、症状固定時の年齢が若い人ほど金額が大きくなります。
※職業付添人による介護が認められれば、1級案件で3億円超えもあり得ます。


おおむね妥当な金額での和解案が出され、無事に終了することができました。

今回は、後遺障害の内容が非常に重かったため、

  • 依頼者に心から満足してもらえたかは不明ですが、
  • 少なくとも気持ちの整理はつけていただけたと感じています。

私自身も、弁護士としてだけでなく、人間としても成長させてもらえた事件でした。

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安すぎる弁護士費用にはお気をつけください。

東京弁護士会所属の弁護士中里です。

今日は,交通事故の弁護士費用について語ります。

 

 

東京弁護士会所属の弁護士中里です。


今日は、交通事故の弁護士費用についてお話しします。


先日、むちうちで後遺障害等級14級が認定された方からご相談を受けました。

その方は、

  • 1円でも多く賠償金を得たい
  • 弁護士費用特約が未加入
  • なるべく安い弁護士事務所を探している

というご希望を持っておられました。

その方の弁護士介入前の保険会社提示額は200万円

私からは次のようにご案内しました:

弁護士が介入すれば、  👉 300万円(裁判基準:低)~470万円(裁判基準:高)

※ 金額は年齢、年収、後遺障害の程度・部位、通院期間、過失割合等により変動。

当法人の弁護士費用は:

獲得金額の10%

※ 実際とは異なりますが、ブログ用に分かりやすく調整しています。


その方は「もっと安い事務所がないか」とお考えでした。 そこで私は、以下の点を注意喚起しました:

「費用が安すぎる事務所は、交渉に手を抜く可能性があります。」


たとえば、当法人(報酬:獲得金額の10%)よりも安く、 **獲得金額の5%**の報酬で対応する事務所があったとします。

そういった事務所は、

  • 弁護士が交渉に不慣れ
  • 薄利多売を狙って交渉に時間をかけない
  • 低額で示談をまとめる可能性があります

私は、

🎯 示談金額に妥協しません!

  • 示談でも裁判基準と同等レベルで交渉
  • 少額でも高額でも関係なし
  • 必要があれば、訴訟レベルの書面も作成

その結果、

裁判をせずとも、高額な示談金額を得ることが多い場合によっては、裁判基準より高い金額を引き出すことも


▼ ケース比較

【費用が安い事務所に依頼】

  • 示談金額:300万円(裁判基準:低)
  • 報酬:15万円(5%)
  • 受取額:285万円

【私に依頼】

  • 示談金額:470万円(裁判基準:高)
  • 報酬:47万円(10%)
  • 受取額:423万円

👆 結果的に138万円の差!


その後、その方は他の事務所も数件相談したそうですが、

「金額が低いのに、それが妥当だという説明をされた」 とのこと。

結果、私を信頼してご契約いただきました。


私は期待に応えるべく、

🔥 いつも以上に全力で保険会社と交渉

結果:

🎉 示談金額:500万円(高い裁判基準470万円超)

  • 報酬:50万円
  • 依頼者様受取額:450万円!

いかがでしたでしょうか?

これが「交通事故に強い」と評価される弁護士の実力です。

🚫 安すぎる費用の事務所 🚫 自称「交通事故に強い」だけの事務所

には、くれぐれもご注意ください。


商品やサービスと同じで、

💡 弁護士費用も「安かろう、悪かろう」です。

もちろん、当法人も不自然に高くならないよう努めています


📩 ご相談お待ちしております。

本気で交通事故に強い弁護士をお探しの方は、ぜひご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

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交通事故解決実績(その2)高次脳機能障害2級、10代男性

【弁護士中里が解説】高次脳機能障害で約1億9500万円の賠償を獲得した事例

こんにちは。弁護士の中里です。

※金額や事情は個人情報保護の観点から一部調整しています。


【事例1】

10代男性/高次脳機能障害(後遺障害等級2級)
総賠償額:約1億9500万円(示談)


1. 事故態様および過失割合

本件は、横断歩道を横断中の10代男性が自動車にはねられたという事故でした。

原則として、横断歩道を歩く歩行者の過失は0%です。

夜間・幹線道路・直前直後の横断では、歩行者にも過失が認定される可能性があります。

今回は、「飛び出し」と見られてもおかしくない状況でした。

そのため、訴訟で不利な過失割合を避けるべく、示談交渉で「過失0%」のまま決着する方針で交渉しました。

結果:当方の過失0%で示談成立。


2. 後遺障害等級と逸失利益

予想どおり、後遺障害等級2級が認定されました。

被害者が未成年のため、時間とともに症状が回復し、等級を争われるリスクがありました。

そのため、早期示談で訴訟基準満額を狙う方針を貫きました。

逸失利益についても満額で賠償を受けました。


3. 将来介護料

訴訟になると、後遺障害の回復度などから減額される恐れがありました。

  • 近親者介護:日額7,000円
  • 職業付添人:日額10,000円

結果:総額約5,300万円以上を賠償


4. 慰謝料(傷害/後遺障害/近親者)

裁判基準の満額(100%)で以下の慰謝料を獲得:

  • 傷害慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 近親者慰謝料

※保険会社が「90%まで」と主張するケースも多いですが、本件では退けました。

示談段階での近親者慰謝料まで獲得したのは、注目すべき成果です。


5. 遅延損害金および弁護士費用

通常、示談では認められにくいこれらの項目も、粘り強く交渉:

  • 遅延損害金
  • 弁護士費用

合計:約3,000万円の賠償を実現

示談でこれほどの金額を引き出すのは極めて稀です。


6. 総括

弁護士介入により、回答金額が約6,000万円増額されました。

経験豊富な弁護士でなければ実現困難な結果です。

  • 保険会社との強気な交渉
  • リスクヘッジを悟らせない戦略
  • 1円でも多く賠償させる信念

⚠ 弁護士選びで、解決金額が数千万円変わることも

難しい手術を名医に任せるように、交通事故案件も専門性の高い弁護士に依頼すべきです。

依頼する弁護士によって、「解決までの期間」「賠償金額」が大きく変わる可能性があります。

※すべての案件で増額を保証するわけではありません。ご了承ください。

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【解決実績】高次脳機能障害7級40代男性会社員

【解決実績】高次脳機能障害で7級4号を獲得|リスクとスピードを両立した5051万円の早期示談

東京で弁護士をしている中里です。

今回は、交通事故によって高次脳機能障害を負った被害者について、後遺障害7級4号の認定を獲得し、総額5051万円で示談解決した事案をご紹介します。


■ 被害者の属性と事故の概要

被害者は40代の男性会社員。交差点内で加害車両に衝突され、頭部を強打して受傷。
注意力や記憶力の低下、段取りの悪さなど、高次脳機能障害が疑われる状態でした。

■ 後遺障害等級の認定

当初は9級程度が見込まれる(最悪の場合は、高次脳機能障害事態が否定される可能性もある)と考えていましたが、被害者請求によって予想を上回る7級4号の認定を得ることができました。

これも、当法人には、後遺障害等級認定機関である損害保険料率算出機構に長年勤めていた元スタッフがいたおかげです。

■ 示談交渉の結果

  • 休業損害:請求通りの金額を認定
  • 傷害慰謝料:裁判基準の満額を獲得
  • 後遺障害慰謝料:1000万円を認定

そして最大の争点だった逸失利益については、労働能力喪失率を8級相当の45%で合意する形で示談に至りました。

■ なぜ45%で合意したのか?

訴訟に移行すれば、保険会社側から以下のような反論が予想されました:

  • 「高次脳機能障害は9級程度である」
  • 「そもそも高次脳機能障害ではない

さらに、訴訟には高額な医学意見書が必要であり、1通50~80万円が相場。
また、複数通が必要になることもありますし、訴訟がおわるまでに最低でも半年〜1年かかる見込みでした。

これらのリスクと、賠償額が下がる可能性を踏まえ、被害者ご本人と協議した結果、
5051万円(=任意保険会社:4000万円+自賠責:1051万円)での早期示談を選択されました。

■ 被害者の反応と所感

被害者の方は、高次脳機能障害の症状が比較的軽度で、目立った減収もなかったため、
賠償金額に大変満足されていました。

弁護士としては、
リスクを取って増額を狙うか安全策で早期解決を図るか」の判断が非常に難しくもあり、やりがいを感じる場面でもあります。

今回も、依頼者にとって最も納得感のある解決ができたと感じています。


※「7級なのにこれくらいの金額なの?」と感じた方へ
賠償金額は、症状固定時の年齢基礎収入後遺障害等級過失割合などによって大きく変動します。
そのため、本件の結果はあくまで一例であり、状況によって賠償額が上下するのは当然である点をご理解ください。


交通事故での後遺障害認定や賠償交渉でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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【示談で裁判基準満額】むちうち後遺障害14級(公務員)で逸失利益も認められた実例|消防士・40代男性

こんにちは。

東京の弁護士、中里です。

公務員の方で、むちうちにより後遺障害14級と認定されたものの、相手方保険会社から「減収がないから逸失利益は認められない」と言われてお困りではありませんか?

実は、公務員であっても、適切な主張をすれば逸失利益を裁判基準満額で示談解決することは可能です。
今回は、40代・男性消防士の方のむちうち14級の案件で、訴訟なしに示談で裁判基準満額の賠償を実現した実例をご紹介します。

他の弁護士であればあきらめてしまうようなケースでも、交渉次第で結果は大きく変わります。


1 被害者の属性

  • 男性
  • 40代
  • 公務員(消防士)

2 後遺障害等級の獲得まで

当初、被害者請求を行った結果は「非該当」でした。

しかし、異議申立てにより、腰痛について後遺障害14級9号の認定を獲得しました。

3 示談交渉のポイントと結果

むちうち14級の場合、特に公務員については、相手方保険会社からほぼ確実に以下のような主張がされます。

「公務員は減収がないから、後遺障害による逸失利益は発生しない」

今回も、初回の保険会社の回答はこの典型パターンでした。

ここで「そうですね」と引き下がってしまう弁護士も少なくありません。
しかし私は、決してそこで諦めず、公務員であっても他の職業と同様に逸失利益が賠償されるべきであることを、法的根拠と実務上のポイントを踏まえて、丁寧かつ粘り強く主張し続けました。

その結果…

  • 逸失利益についても、裁判基準満額での賠償を示談で実現
  • 傷害慰謝料・後遺障害慰謝料も裁判基準満額で支払いを受けることに成功

つまり、訴訟を起こすことなく、すべての損害項目で裁判基準満額の賠償を獲得できたのです。

4 他の弁護士との違い

公務員の逸失利益については「どうせ認められない」と思い込み、最初から請求すらしない弁護士もいます。
また、そもそも裁判基準満額で交渉をせず、保険会社の提示額(裁判基準の8~9割)を鵜呑みにするケースも少なくありません。

私はこれまでにも、警察官の方のむちうち14級案件で逸失利益を裁判で認めさせた経験があり、今回もその実務経験と知見を活かしました。

こうした結果は、単なる交渉術ではなく、法的理論と戦略的対応の積み重ねによって得られるものです。

5 まとめ

今回のケースは、

  • 公務員で減収が見込まれないとされながらも逸失利益を確保
  • 訴訟をせず、示談段階で裁判基準満額の賠償を実現

という、他の弁護士ではなかなか実現が難しい結果を獲得できた事例です。

後遺障害14級でも、「どうせ認められない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
どのような職業の方であっても、正当な賠償を受ける権利はあります。


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解決実績(50代男性、むちうち14級)

東京弁護士会の弁護士中里です。

今回は、むちうち14級の50代男性の方の解決実績のご紹介です。

=============

被害者:50代男性会社員

事故態様:交差点内の右折レーンから急に車線変更してきて衝突された事故

過失割合:0%

後遺障害等級:14級9号(腰部痛、左大腿部痛)

後遺障害申請の方法:事前認定(加害者側保険会社に任せた方法)

解決方法:示談解決(訴訟なし)

解決金額:約330万円

傷害慰謝料の金額:赤本Ⅱ100%の約94万円

後遺障害慰謝料:110万円(裁判基準満額)

後遺障害逸失利益:約125万円(労働能力喪失期間5年、労働能力喪失率5%)(裁判基準満額)

今回も、示談段階で裁判基準満額の金額を勝ち取ることに成功しました。

裁判をすれば、訴訟基準満額とれる可能性は比較的あがりますが、

リスクはあります。

何かしらの問題を指摘されますと、逸失利益が5年間でないこともあります。

3年、4年となってしまうこともあります。

裁判をすると、時間がかなりかかってしまいます。

また、相手方弁護士の書面に、心無い記載をされストレスを感じることがあります。

こうしたことを考えますと、

早期に示談解決することは、ストレスフリーですし、

しかも、訴訟基準満額を示談段階で勝ちとれるというのはかなりすごいことだと思ってください。

弁護士の中には、示談段階では、訴訟基準満額取れることを知らなかったり、その勝ち取り方の交渉技術、ノウハウ、意欲に欠ける弁護士も残念ながらいるようです。

私であれば、示談段階でも常に裁判基準満額(ときにはそれ以上の金額)を勝ち取りにいく弁護士です。

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解決実績(90代男性5級右足切断)

今回は、右足切断という比較的珍しい後遺障害についての解決実績のご紹介です。

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1 被害者の属性

90代男性、無職

2 事故態様

横断歩道歩行中に自動車にひかれた事故

3 過失割合

被害者0%

4 弁護士介入のタイミング

今回は、自宅改造費の賠償の問題がありましたので、戦略的に、自宅改造費を相手方に支払わせるまでは、弁護士介入はしないという作戦をとりました。

不用意に弁護士を入れてしまうと、自宅改造費の内容を厳しく争われ(ここの項目は認めない、一部しか認めない、不要である)などと主張されてしまうことがあるからです。

この作戦をとった結果、妥当な範囲をすべて認めてもらい、いち早く自宅改造費を回収できました。

※弁護士介入していた別件(1級案件)では、訴訟で認められないと払えないなどと主張されるケースもありました。

5 後遺障害等級

5級

一定以上の部分の右足切断は、5級が認定されます。

6 示談交渉

今回は、等級が高いことと、賠償金額が大きいということで、相手方にも弁護士がつきました。

示談交渉の結果、入通院(傷害)慰謝料。及び後遺障害慰謝料は訴訟基準満額相当を勝ち取ることに成功しました。

被害者は90代と高齢で無職であったため、収入がないと発生しない項目である休業損害や後遺障害逸失利益は発生していませんでした。

あとは、将来介護費用や、義足交換費用や、将来の診察代・交通費等の将来治療費等もどこまでの範囲を認めるかでかなりもめました。

結果として、訴訟まではせずに、示談でまとめることになりました。

既払い金のぞいて、2200万円で示談しました。

高齢の方であって、無職のため、

後遺障害逸失利益、休業損害がないこと

将来治療費、将来介護費の年数が短いため(90代男性の平均余命が短いため)金額はこの程度です。

年齢がもっと若い方や、収入がある方であれば、もっと賠償金は2~5倍になっていた可能性もあります。

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解決実績(9級【脊髄の障害】、50代男性会社員)

東京の弁護士中里が解決した交通事故被害者の賠償金額の解決実績について、ご紹介していきます。

今回は、脊髄の障害で自賠責の後遺障害等級9級10号が認定された方の案件についてご紹介していきます。

⑴ 被害者の属性

50代の会社員男性

⑵ 事故態様及び過失割合

当方バイクで直進中、対向右折自動車と衝突

当方15%:相手方85%

⑶ 認定された後遺障害等級の内容等

自賠法施行令別表第二第9級10号

脊髄の障害

具体的には、両手のしびれ等が主な症状

⑷ 交渉経過

裁判基準満額で請求をかけていったところ、

初回の相手方の回答は、

当方過失25%

傷害慰謝料赤本Ⅰ90%

後遺障害慰謝料赤本90%

後遺障害逸失利益の労働能力喪失率はわずか14%(12級の数字)

という回答がきました。

賠償金額も既払い金額を除いて約900万円という不当に低い金額でした。

そこから、私の本領発揮ということで、

ひとつずつ論破していく作業に入りました。

その結果、当方過失25%→15%

後遺障害慰謝料‥赤本90%の代わりに

傷害慰謝料を特別に裁判基準満額よりも増額させることに成功しました。

その結果、最終的には既払い金を除いて2200万円という妥当な金額での示談に至ることに成功しました。

本当であれば、もう少し金額をあげられる可能性もあったのですが、依頼者の方が、金銭的に余裕がなく早期解決を望まれていたために、金額よりも早期解決を優先しました。

依頼者の方にも大変満足していただき、ぜひ近所のみんなにも私のことを紹介したいということで、名刺をたくさんほしいとおっしゃられましたので、たくさん送らせていただきました。

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解決実績(併合10級、30代女性、給与所得者)

新年あけましておめでとうございます。

今年も、弁護士選びの参考としていただくために、解決実績メインでご紹介していこうと思っております。

=============

今回は、30代女性、給与所得者で後遺障害等級併合10級が認定された方の解決実績のご紹介です。

1 人身事故へ切り替えておくことの重要性

この方は事故直後より、当法人にご相談してくださっていました。

腰椎圧迫骨折という重傷案件だったにもかかわらず、相手方のことを思いやってか、当初は人身事故扱いにはしておらず物件事故扱いのままでした。

しかし、当方にも過失がでてしまうケースであったため、過失割合を争うためには、人身事故に切り替えて、警察等に事故状況等を詳細に記載させる刑事記録の作成がほぼ必須となります。

安易に、相手の方が、真摯に対応してくれたから、謝罪してくれたからなどといって、物件事故のままで処理してしまいますと、詳細な刑事記録が作成されずに、過失割合を争う際に、当方に有利な証拠が一切ないといった不利な事態になってしまうこともあるため、要注意です。

2 事故状況

当方自転車で、青信号の交差点を渡っていたところ、左折してきた相手方自動車と衝突した事故でした。

基本過失割合は、

当方自転車10%:相手方自動車90%

の事案です。

3 認定されて後遺障害等級及び内容

今回は、被害者請求で後遺障害申請をしました。

結果は、

①第1腰椎圧迫骨折‥‥11級7号

②左鎖骨の変形障害‥‥12級5号

③ ①、②あわせて併合10級

4 示談金額等

⑴ 慰謝料、休業損害

休業損害、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料は、請求どおりの金額だったり、訴訟基準満額の金額で示談に応じてもらうことができました。

⑵ 後遺障害逸失利益

今回の最大の争点は、後遺障害逸失利益でした。

圧迫骨折の場合は、等級どおりの労働能力喪失率になるとは限らず、争われやすいです。

その場合は、訴訟をして、医師の医学意見書等を出すなどする必要があります。

もっとも、訴訟にするかどうかは、被害者自身の意思を尊重しますので、無理に訴訟にすることはありません。

今回は、被害者の方が、早期解決及び訴訟までは望まなかったため、逸失利益については、多少譲歩しての解決となりました。

詳細としては

ア 症状固定年から10年間

  労働能力喪失率…20%

イ その次の10年間

  労働能力喪失率…14%

ウ 21年目~67歳まで

  労働能力喪失率…10%

エ 合計約1500万円

⑶ 総賠償額‥‥約2000万円

10級自賠責保険金461万円とあわせた、賠償額は約2000万円となりました。

※被害者側の過失は10%

5 総括

早期解決という観点と、訴訟に移行すれば、医学意見書に費用が数十万円かかってしまうことを考えれば、妥当な金額で解決できました。

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裁判が終わるまでの期間

今年ももう終わりです。

2024年は、能登半島地震に始まり、オリンピック、大谷選手の大活躍といったところでしょうか。

さて、今回は、裁判(訴訟)を起こすと、どのくらいの期間がかかるのかという質問に答えていきます。
※ここでは、私のメインの取り扱い案件である交通事故被害者の民事訴訟に限ってお話していきます。

結論からいいますと、事案によってケースバイケースとしか言えません。

が、だいたい約半年~1年程度かかる事案が多い気がします。

なぜ、そんな長い期間かかるのかと疑問に思われる方もいるかもしれません。

その原因としては、いくつかあるのですが、

まず、

①次の裁判までに1~2か月かかること

裁判の基本の流れとしては、

原告の主張→被告の反論→原告の再反論→被告の再々反論

と、主張反論が繰り返され、主張反論が出尽くしたところで、裁判所の判断(和解や尋問後判決)を仰ぐことになります。

主張を書面にまとめるためには、通常1か月程度時間がかかります。

1ヶ月ずっと書面作成に時間をかけるというわけではありませんが、

代理人弁護士の方で主張書面(準備書面)の案を完成させ、そこから依頼人に確認してもらい、修正等を繰り返すと、1ヶ月程度かかるという考えです。

また、一人の裁判官は、一人で事件を数百件抱えていますので、単純に、他の事件との兼ね合いで、書面作成がすぐできたとしても、物理的に担当裁判官のスケジュールが直近では空いてないというのも理由の一つとなります。

②医学鑑定書の作成に時間がかかることが多い

交通事故の後遺障害等級案件などでは、医師の医学意見書が証拠として用意されることも多いのですが、その作成に、数か月かかってしまうことも多いです。

早く終わる裁判はどのような場合でしょうか?

例えば、被害者がお亡くなりになっている「死亡案件」の場合には、後遺障害等級案件のように、後遺障害の程度等が争われることがなく、基本的には、慰謝料がいくらになるかという裁判所の評価待ちという側面が強いため、早く終わりやすいです。

最近、私が担当していた死亡案件の裁判でも、訴訟提起から和解で終結するまでに、3ヶ月程度でスピード解決したものがありました。

逆に、後遺障害等級案件では、1年6か月近くかかって、最近になってやっと和解で終わった事件もありました。

交通事故の裁判では、尋問まで実施される割合は少ないのでご安心ください。

皆様よいお年を!

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解決実績(60代男性、会社員、むちうち14級)

今年は、本当に秋がほぼなく、冬がやってきました。

こんな経験は、人生初かもしれない弁護士中里です。

さて、今回は、むちうち14級の方の解決実績のご紹介です。

===================

被害者の属性:60代男性、会社員

事故態様:被追突(赤信号停車中、3台玉突き事故の真ん中)

後遺障害等級:異議申立てにより併合14級獲得

この方は、事故から3か月後くらいで、当法人にご相談くださった方でした。

定期的にアドバイスをさせていただき、6ヶ月程度で治療費打ち切りとなりました。

その後、事前認定で非該当となりました。

同乗者である配偶者の方は、事前認定でも14級が認定されていました。

このように、同じ事故の被害者でも等級認定の有無の判断について、別の判断が下ることはあります。

むちうちの痛み、しびれは、本人にしか分かりません。

心の中と同じです。

その痛みしびれを他人に分かってもらうためには、

一定頻度の通院を継続しなければなりません。

しかも、後遺障害等級認定機関である自賠責の機関(損害保険料率算出機構)は、医療機関での治療を重視します。

ですので、医療機関への一定期間以上の正しい継続的な通院が必要となります。

この方も、症状固定となった後も、自費通院を続けてもらい、そこから、異議申立てをしました。

結果、無事に頚部痛と腰部痛それぞれに14級9号が認定されました。

そして、示談交渉の結果、無事に全て裁判基準の金額を勝ち取ることに成功しました。

傷害慰謝料:約93万円(赤本Ⅱ100%)

後遺障害慰謝料:110万円(赤本基準満額)

後遺障害逸失利益:約98万円(労働能力喪失率:5%、労働能力喪失期間:5年)

既払い金を除いた総賠償金額は、約340万円となりました。

早期解決かつ裁判基準満額の示談に成功です。

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解決実績むちうち14級(50代女性、給与所得者)

東京の弁護士の中里です。

今回は、50代女性、給与所得者、併合14級(14級9号:頚部痛、14級9号:腰痛)の方の解決実績のご紹介事故です。

===============

事故態様・・・停止中に追突された事故

過失割合・・・当方0%:相手方100%

症状固定までの期間・・・約190日

この方は、事故から4か月くらいして、当法人に初めてご相談していただき、その後、継続して相談に乗らせていただいておりました。

その後、治療費の打ち切り、後遺障害診断書の記載内容をチェックさせていただき、後遺障害申請は、相手方保険会社に任せて問題ないと判断し、事前認定をし、私の予想どおり、14級が無事に認定されました。

その後、本人様から、事故後の辛い状況等を詳細に伺い、それを踏まえ、保険会社と交渉した結果、今回も、裁判をすることなく、訴訟基準満額レベルでの示談解決をすることができました。

【示談金額内容】

①傷害慰謝料・・・約119万円

むちうちの場合、通常赤本Ⅱ基準の約92万円が訴訟基準満額の数字なのですが、交渉の結果、骨折基準とむちうち基準よりも高い基準である赤本Ⅰ基準でまとめることができました。

むちうちの方は、赤本Ⅱではなく、赤本Ⅰ基準で金額をまとめられることはあまりないため、私の示談交渉がかなりうまくいったと自負しております。

②休業損害・・・約75万円

休業損害日額は、金額が高くなる稼働日数で除する方法で算出した金額でまとめることができました。

③後遺障害慰謝料・・・110万円

裁判基準満額です。

④後遺障害逸失利益・・・約70万円

労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年

一般的な裁判基準満額です。

⑤本人受取金額・・・約374万円

(既払い金込みの総賠償額約474万円)

今回もお客様に大変満足していただきました。

クチコミもアンケートも大変いい内容を書いていただけました。

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解決実績(30代男性会社員、併合5級)

東京の弁護士中里が以前解決した交通事故の被害者の損害賠償請求訴訟の解決実績をご報告いたします。

今回は、30代後半の男性会社員が、夜間に同僚らと酒を飲んだあとに、道路を横断していたところ、自動車にひかれて、脳挫傷を伴う大けがを負ったという案件です。

この案件は、等級が高かったため、訴訟を選択しました。

事故直後より、当法人が介入して、後遺障害のサポートをし、後遺障害申請も被害者請求により、無事に併合5級(①高次脳機能障害7級、②胸椎圧迫骨折による脊柱の変形8級、③外貌醜状12級)が認定されました。

訴訟にした結果、賠償金は、約3200万円で和解することができました。

5級の自賠責保険金1574万円をも含めると、被害者が受け取ることができた金額は約4774万円となります。

被害者側の過失30%がなかったとすると、約6820万円の賠償金となります。

今回の最大の争点は、主に①過失割合、②後遺障害逸失利益でした。

1 過失割合

事故態様としては、被害者が酔っ払っていて、同僚らと一緒に夜間の道路を横断して車にはねられた事故でした。

しかも、みずから車の前に突っ込むような形で引かれました。

この場合の基本過失割合は、歩行者20%スタートですが、

夜間であることで+5%、直前横断+10%は避けられないかと思いましたが、

何とか、歩行者の過失割合を30%にとどめてもらうことに成功しました。

2 後遺障害逸失利益について

加害者側の保険会社から、高次脳機能障害については、7級ではなく9級程度にすぎないこと、

圧迫骨折についても運動障害ではなく、変形にすぎないため労働能力にそこまで支障はないという医師の意見書が提出されました。

こちらも何とか反論をくりひろげ、労働能力喪失率については、相手方の主張を斥けることに成功し、最終的には、70%と認定してもらうことができました。

逸失利益については、約4600万円(過失30%控除前の金額と認定してもらうことができました。

3 雑感

保険会社側の医師の意見書は、不思議なことに被害者不利の意見書がなぜか出てくる。

医学的な説得的な内容とは思えず、所詮評価による結論が多いので、反論は可能。

高額案件では、過失が5%違うだけでも賠償金額が数百万円違ってくるので、決して最後まであきらめてはいけない。

また、新たな経験を積めた訴訟となりました。

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